男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
あたしが左足を動かそうとした時、すぐ隣からそんな言葉が聞こえてきた。
あ、そっか!
肩組まないと走りにくいよね。
そういう競技だもん、仕方ないよね。
「うん、いーよ。あたし、背が低いから大変かも……」
あたしはそう言いながら、背伸びをして平塚くんの肩を掴む。
平塚くんが少し屈んでくれたから、なんとか掴めた。
いくら平塚くんが女の子っぽいとはいえ、男と肩を組んでるなんて……!
なるべく意識しないようにしよ。
「大丈夫だよ!よし、走ってみよっか?……せーのっ」
そんな掛け声と共に、あたしは次こそ左足を出した。