男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
「……っ!」
するとそこにあったのは、平塚くんの柔らかくて優しい笑み。
なっ、なにその顔!
……ムッとしたのなんて、忘れちゃうよ。
いわゆるアイドルスマイル、みたいな?
きっとこの笑顔が、女子に人気なんだろうな。
このあたしでさえ、なんだか気が抜けちゃったし。
「今日はずっと一緒にいられるなー!」
平塚くんは、坂を上りながら嬉しそうに言う。
そうだ……今日は1日、篤樹もずっと一緒なんだ……。
「そ……だね……」
「あれ?知紗ちゃん、元気ない?」
その言葉に、あたしはあいまいに頷いた。
あー……なんだか、憂うつ。