男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
霞が背中に飛び乗っていた。
軽いから平気なんだけどね。
……でも。
「リュックが潰されてる!」
「やー、テンションが上がっちゃって」
あたしの背中から降りながら、悪びれもなくテヘッと笑う霞。
「テンション……」
「うわ、知紗は低いわねー!もっと楽しみなさいっ」
次はバシンッと肩を叩かれる。
「えー……ムリだよ。……あたしが来たのはアンカーを走るためだけだし」
そうじゃなきゃサボりたいよ。
こんな体育祭……。
「やっぱり、井岡篤樹のことが気になるの?」
……え……?
急に真面目な顔になった霞を、じっと見つめる。