男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
あたしの家に行くだか何だか知らないけど、あたしは帰る!
「ちょ、知紗!待てって」
──…っ!
やっぱり慣れない……呼び捨てには。
「ちゃんと聞きてーんだよ。知紗の両親のことを」
篤樹の真剣な瞳が───あたしを捉える。
あたしのことを知ろうとしてくれて、真剣に考えてくれてる。
そんな篤樹だから、あたしは信じたいって思ったんだよね。
「うん……分かった。お母さん、今日は早く帰ってくるみたいだから…とりあえず家に行こっか」
あたしがそう言うと、篤樹は優しい微笑みを浮かべた。
それから、2人並んで家までの道のりを歩く。