男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
篤樹はそう言うと、あたしをそっと放して
あたしと目を合わせるようにして屈んだ。
「柳との間には何もねぇよ。それだけは信じろよ?」
「っ……うんっ」
“春佳”から“柳”って、名字に変わっていたことがやっぱり嬉しくて。
あたしの声は弾んでしまった。
篤樹はエスパーなの?
あたしが思ったことが分かったなんて。
それが思ったより嬉しくて……家に着くまで、あたしの頬は緩んでしまうばかりだった。
「ただいまー」
「お邪魔します」
家の鍵は開いていて、あたしは少し驚きながら足を踏み入れた。
お母さんがいるわけないし……
だったら、あとは──…