男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~



篤樹はそう言うと、あたしをそっと放して

あたしと目を合わせるようにして屈んだ。



「柳との間には何もねぇよ。それだけは信じろよ?」

「っ……うんっ」


“春佳”から“柳”って、名字に変わっていたことがやっぱり嬉しくて。

あたしの声は弾んでしまった。


篤樹はエスパーなの?

あたしが思ったことが分かったなんて。


それが思ったより嬉しくて……家に着くまで、あたしの頬は緩んでしまうばかりだった。






「ただいまー」

「お邪魔します」


家の鍵は開いていて、あたしは少し驚きながら足を踏み入れた。


お母さんがいるわけないし……

だったら、あとは──…



< 309 / 414 >

この作品をシェア

pagetop