男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
「バイトのことなら気にしないでよ!湊斗と南に超頑張ってもらうから」
あたしの視線に気付いた雅斗さんは、にこっと笑いながら言った。
え、じゃあ……湊斗先輩と南さんが大変なのか。
……なんだか申し訳ない。
「だったら行くぞ」
「分かった……から引っ張らないで!」
あたしはどこにも逃げないのに!
内心むすーっとしていると、
それを察したのか、篤樹はあたしの手をそっと放した。
「心配なんだよ……知紗が誰かに取られそうで」
拗ねた子供のような、でもどこか大人っぽい表情をする篤樹。
………その表情に、どうしようもなくドキドキしてしまった。