男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
「どこが羨ましいんですか……」
ため息混じりにそう言えば「嫌味かよ」と、また頭を叩かれた。
「あ、お客さん」
さっきから叩きすぎだろ……と、内心文句を言っていたら、先輩の声でドアへ顔を向けた。
「……え」
あれ?
……俺の見間違い?
もしかして、知紗に会いたすぎて幻想を見てんのかな……。
「あれ?篤樹!」
俺に気付いた知紗が、タタッと小走りで駆け寄ってきた。
やっぱり、幻想なんかじゃねぇ。
目の前に知紗がいる。