男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
翌日。
ただいまの時刻は朝6時。
久々にこんな早起きしたなぁ……。
あたしは玄関から死角になっている物置部屋の中で、千尋を待ちかまえていた。
――カチャッ……。
「はい、ストップ」
あたしは千尋が開けた玄関のドアをバンッと強く閉める。
「ヒッ!姉ちゃん!」
あたしの方を振り向いた千尋は、ドアに勢いよく背中をぶつけた。
それと同時にスポーツバックが床に落ちる。
「か、顔!姉ちゃん、顔が超怖くなってる!」
「それは千尋が悪いんでしょーが!」
朝、早起きしてまで千尋と話さないといけないワケは……。
「昨日の話、詳しく聞かせてもらえる?」
奥原朔のことに決まってる。