男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
「え?井岡先輩?」
千尋は頭を擦りながら、なんとも間抜けな顔をする。
……と思ったら怪訝な顔をした。
「てか、さっきからなに?バイト先教えたのは悪かったよ……謝るから、早く朝練行かせてくれない?」
……軽ーい!
「え、待って。じゃあ、井岡篤樹はなにも知らなかったの?」
バイト先も、奥原朔が来たことも……?
偶然通りかかっただけ……にしては、不自然すぎるんだけどな。
全然人が通らない路地裏だったし。
「ん、たぶん。俺は奥原朔に姉ちゃんのバイト先をバラしちまっただけ。……じゃ、行ってくる」
――バタンッ。
ドアが乱暴に閉まった。