男子校は甘いワナだらけ!?~俺様なアイツとキケンな恋~
「ったく……」
昨日から千尋のせいで、散々な目にあってるような……。
「いってきまーす」
朝ご飯を食べて準備したあと、誰も居ない家にそう言って、ガチャンと鍵を掛ける。
学校への道を歩きながら、考えてしまうことは昨日の出来事。
奥原朔にキスされそうになったこと……ではなくて。
井岡篤樹が助けてくれて、腕を引っ張ってくれて……。
それから彼女らしき女の子とどこかへ消えたしまったこと……。
「って、なに考えてんの!」
1人で頭をブンブンと振る。
「危ねぇっ!」
「きゃあっ!」
――グイッ!
突然男の声が聞こえ、手首を掴まれて後ろへ引かれる。