鬱になれる短編集
親友は銃口をくわえる。
歯と歯で固定する。
口元が微震していた。

私は嬉しかった。
親友を安息に導けるのだから。
闘いの日々から解放できるのだから。
なにより。
人を殺す以外に意味を持てたから。

引き金に手を掛けた。
私は放たれた。

嘲笑う声が聞こえる中で。


End
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