鬱になれる短編集
まだまだたりないわ、と崖を見上げながら独り言を呟いた。

女の子はいつもの町とは違う、少し距離のある町に行った。
いつもの町では少年たちがいなくなっている噂が流れていることを知ったからだった。子供たちは家から出ないようになっていた。

離れた町へ歩きながら、女の子は、どうしようかと悩んでいた。
はなれているまちからは、材料をはこべないわ、長い間考えても結論は出なかった。

道の途中、荷台のある車が通り掛かり、声が降ってきた。
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