鬱になれる短編集

記憶を辿る。
確か自分はコンビニへ行った帰りだったはずだ。
ポケットを探ると買った品物の領収書があった。
だが、あたりを探しても買った品物は見つからなかった。

そこである推測が頭を駆ける――監禁や誘拐。
しかしすぐに頭(かぶり)を振った。目の前のディスプレイが腑に落ちない。犯人がこんな用意をするとは到底思えなかった。
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