鬱になれる短編集
「希望を見つけましょう。現実に酔っていてはいけません。世界の中枢に行くのです。三葉さんはわたし、クロラがサポートします。そこでは紛争はなく、平等で光が満ちています。目指すべきはすぐそこです」
クロラがまた言った。
これで何回目か。数えても忘れてしまうくらいには回数を重ねていた。
それに同じことしか話さない。
こちらから話しかけても無反応だった。
それに名前が割れているのはなぜか。
思考が思考を呼び、感覚が霧散していく。強いストレスを感じつつあった。
暴れ回る気力は失せていった。
これが犯人の狙いかもしれない。
倦怠感に襲われつつ、新たな展開を見た。