抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
そんな夜に限って、夫からの誘い。
とてもじゃないけど、気分じゃない。
しかし、何ヵ月も拒否しているわけにはいかず…
『…』
『ここがいいんだろ?』
『…』
『何とか言え!』
半ばレイプ状態。
情事は小一時間程で済む。
終わってしまえば、さっさと下着を履き、いびきをかいて寝てしまう夫。
愛の言葉も、腕枕も何もない。
『私は風俗嬢か…』
と小声で囁いた。
虚しさだけが残り、その夜はあまり眠れなかった。