抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
〜♪〜♪
来たっ!
震える手でボタンを押した。
『もしもし…?』
『暁さん?俺だけど。』
電話越しに聞くその声は、普段よりもワントーン低く、深夜のせいか、胸に響いて聞こえる…。
『あっ、純くん?なんか、ごめんね?急に電話したいなんて言って…。迷惑じゃなかった?』
『そんなことないよ?暁さんこそ、大丈夫?何かあった?俺と話したいって言うから、気になって。』
『そういう訳じゃないんだ。何となく…その…声聞きたくなって…。』
『暁さんて、カワイイこと言うね♪俺も声聞けて嬉しいよ?』
よかった…。
迷惑だったらどうしようかと心配してたから、安心した…。
純くんの言葉を信じよう。
私の声が聞きたかったこと。
私を心配してくれたこと。
そして…。
純くんが私を想ってくれていること。
恋人にはなれないかもしれない。
夫婦にもなれないかもしれない。
でも、形にこだわることなく、お互いの気持ちが通じ合っていれば、それだけでいい。