抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
ある日の飲み会。
俺は会社の同僚たちと、可愛ちゃんのいるあの店へ行った。
右手薬指にリングをはめて。
案の定、司がつっこんできた。
『お前、その指輪なに?彼女出来たん?』
『あ、あぁ…。』
『つぅか、紹介すれよ〜!親友だろ?』
司には…言ってなかった。
言えば、実夏さんに伝わり、そして…暁に伝わる。
けど、この店にくる以上、指輪をしないわけにはいかない。
結局、司には話すことにした…。
暁に伝わるのも、時間の問題だろう…。
いや、もしかしたら、あの時、俺たちを見た時からわかっていたかもしれない。
自分から言おう。
彼女が出来た。だから、もう逢えない。と…。