抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
『司…。あのな…?』
『おぅ!どした?』
『俺さ…好きなヒトがいるんだ…。』
『はぁ!?知ってるって!あの子だろ!?お前ら付き合ってるじゃん!』
『いや…違うんだ。あの子とは…別れた。』
『マジで!?なしたんだよ!つうか、好きなヒトって誰だよ!』
『…あのな、驚かないで聞いて欲しい。話せば長くなるけど、俺…暁さんが好きなんだ…。』
『!!!』
『驚くよ…な。相手は既婚者だ…。』
『…お前…。』
『…やっと言ってくれたな。その言葉待ってたんだぞ?』
『えっ?』
『お前が暁さんに好意を持っているのは薄々気づいてた。けど、お前の口から言ってくるまでは俺は何も言わなかったんだ。』
『…司…。』
『なぁ、俺たち親友だろ!?何でもっと早く言わなかったんだよ。俺は、お前がどんなヒトを好きになろうとも、必ず応援する。この世にはお前みたいな恋している人たち沢山いる。決して許されることじゃないけど、好きになったものは仕方ないよ。だから、俺は応援する。』
司の言葉…すごく胸に響いた。
許されない恋。
わかってるよ。
だけど、この世に生まれ、暁と出逢い、恋に落ちたことは紛れもない事実なんだ。
司…ありがとな…。
『さんきゅ。』
『どうってことないって!辛いときは俺に話せよ?聞いてやっからさ。』
司…お前とも出会えてよかったよ。
涙を見せるのは…恥ずかしかったけど、司の言葉に…俺は…泣いた。