抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
『別にいいよ?その代わりお前1人で出ていけ。』
『それは嫌。あの子も連れて行きます。』
『ふざけんな!!なんで俺が1人になるんだよ!?悪いのはお前だろ!?』
『あの子は…私が居ないと生きていけない…。だから、私が連れて行きます。』
『お前頭おかしいんじゃねぇの!?あいつはお前なんかいなくても生きていけるよ!…その前に話すことあんじゃねぇの!?』
一瞬、息を飲んだ。
この人…私にあの日の事を話させようとしている。
これが、夫の策略だったとはまだ知らず…。
私は…無知だった。