お見合い
夢物語
「おぐ、カシグレ」
「はいはい」
「俺、梅酒」
「はいはい」

冷蔵庫にカシグレと梅酒を取りに行ってくれた優しい彼は小倉 俊介。
呼び名はおぐ。

私のカシグレに便乗して梅酒を頼んだ彼は柊 梓。
呼び名はチャイ。
チャイの由来は、名前が中国人みたいだからチャイニーズのチャイ。
ふざけて呼んでたらいつの間にか定着した。

おぐとチャイは幼馴染。
言うなれば親友。
そんな二人は揃って資産家の子息。
言うなればお金持ち。


そんな私は一般人。
関村 梢 23歳。

私達は幼稚園も小学校も中学校も高校もましてや大学も一緒だったことはない。

おぐとチャイは高校まで同じ私立のエスカレーター式のお坊ちゃま学校に在籍だった。

そんな私たちは、3人して同じ日にこの世に誕生した。
出会いは3歳に行う健康診断。
そのすごい偶然にママ達は盛り上がったらしく、意気投合してお茶友達になったのが始まり。

それを聞いた時は、出会うべくして出会ったんだろうなって驚くよりも納得のが強かった。
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