うしろの正面だーあれ vol.2
刑務所
冷たいコンクリートに囲まれた刑務所に、高らかな笑い声が響く。
それは少し狂喜めいていて、不気味なことこの上なかった。
「静かにしろ!!!」
監守が怒鳴る。
すると、その笑い声はピタリと止んだ。
「死んじゃった…。」
か細い声で、ポトリと落とすように呟く青年の瞳からは、一筋の涙がこぼれ落ちていた。
「僕のせいで、死んじゃった…!
ぁああぁああぁぁあぁああああああぁあぁあ!!!!!」
叫びながら、青年は自身の頭を強く抱えた。
「…………………。」
監守の心は痛んだ。
本当はお前のせいではないのだと言いたい。
しかし、言ったところで青年の性格からすれば、再び復讐という名の犯罪を犯してしまうだろう。
今はそっとしておくべきだ、そう思った監守は静かに引き返した。