うしろの正面だーあれ vol.2


さわわ、爽やかな風が吹き抜けた。


視界にふわり、白い裾が揺れる。


青年は、ゆっくりと顔を上げた。


「沙…良…。」


もう、二度と会えないと思っていた

もう、二度と会わないと決めた女性(ヒト)。


その人が、目の前に…


少し、切なげに自分を見ている。


夏らしい、軽やかな白いワンピースを揺らして。


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