うしろの正面だーあれ vol.2
金
「高井戸杏奈って覚えてるか?」
佐古が聞く。
「…あぁ、あの金で何でも解決する社長の娘だろう?」
「…父親のことまで調べたのか。」
佐古は、感心したように帽子を被りなおした。
「じゃあ、その何でも金で解決する親父は、逮捕されちまった娘をどうしたと思う?」
ニヤニヤと笑みを貼り付け、佐古は楽しそうに一喜の答えを待った。