うしろの正面だーあれ vol.2
「…僕だったら一生監禁して人目に触れないようにするか殺すね。」
一喜の返答に、佐古は意外だとでもいうように目を丸くさせた。
「一人娘だぞ?」
「あの男は娘を愛してない。」
キッパリそう言う一喜を、佐古はじっと見つめた。
「何故?」
佐古からの視線を受け、一喜は逃げるように視線を逸らした。
遠くを見つめる。
「…愛されていたら、あんな人間には育たないはずだ。」
夕陽に染まる一喜の横顔は、どこか寂しげにも見えた。