うしろの正面だーあれ vol.2

その日、母親が学校に呼ばれた。

廊下で、教室の扉を背に、幸亀は目を伏せる。

中では教頭と試験官の教師、妃鶴と母親が向かい合って座っていた。

中からは母親の荒々しい声が聞こえる。


「なんてことを!!」

パンッ

乾いた音が響く。

教師の、宥めるような声が聞こえる。

虚ろな目をして、幸亀はその場に座り込んだ。

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