うしろの正面だーあれ vol.2
その花を見る瞳はひどく優しく、とても人を傷付けるような人間には見えない。
どこか儚く、切ない横顔も、犯罪者として裁かれた故に出来る表情なのだろうか…。
それとも…
「どんな花をお探しですか?」
優しく落とされた言葉に、青年はゆっくりと見上げた。
太陽が、眩しい。
黒い影となってよく見えない女性は、しかし微笑んでいるのがなんとなく分かる。
青年も少し微笑って
「青い、花を…。」