うしろの正面だーあれ vol.2
「絶対ここだと思ったわ!昼飯まだだろ?」
落とされた声にドキンと心が跳ねる。
びっくりして慌てて目を逸らす。
「何ニヤニヤしてんだよ!」
「うっさい!この幸せ者!」
晴香といがみ合う彼の横顔を盗み見ながら、まだドキドキと鼓動はうるさく鳴っている。
「今時こんな純情な子いないんだからね!
あんたみたいなチャラ男には勿体無いんだから!」
「どこをどう見たらチャラ男になるんだよ!」
「バーカバーカ!アーホ!渚のアーホ!」
「言い返せなくなったらすぐそう言う癖やめろよ」
幼なじみである晴香と渚は、保育園からの腐れ縁だそうだ。
いつも喧嘩してばっかりだが、なんだかんだ一緒にいるところをみると仲の良さを窺える。