うしろの正面だーあれ vol.2
「あ~!噂の!?かわい~じゃん!」
むぎゅーっと抱きしめられる。
「あたし気に入った!この子と友達になる!」
え、えぇぇ???
「あたし、晴香!こっちは渚。あんたは?」
「か…楓…」
「楓!よろしくね!」
握手した手をブンブンと乱雑に振り、「じゃあね!」と嵐のように去っていった。
「な…何だったの…?」
わけが分からず、呆然とするばかり。
友達って…なるって宣言してなるものなの…?
でも…知らない人ばかりで不安だった大学に知っている人が出来た。
自分の名前を知ってくれている人が出来た。
それだけですごく安心出来る。
明日から、少し楽しみだな。