うしろの正面だーあれ vol.2


「あっ…青い花ですよねっ!」


女性の声は裏返っている。


「…はい。」


クスクスと笑う素振りも見せない青年に、女性は少し心を落ち着かせ、いつも通りの声色に戻した。


「…贈り物ですか?」


その問いに、青年の顔が一瞬 曇った。


しかし、次の瞬間にはふわりと微笑み、答えた。


「そう…。
大切な人への贈り物…。」


「そうですか…。」


今度は彼女の顔が曇った。


< 6 / 50 >

この作品をシェア

pagetop