うしろの正面だーあれ vol.2
「それでしたら、ブルースターなんてどうですか?」
「ブルースター?」
「あなたが見ていた花です。」
女性が言うと、青年は視線を先程 見ていた花に移した。
「花言葉は、【信じ合う心】。」
「信じ合う…心…。」
2人の間には、数秒の沈黙が流れた。
女性は会話を続けることなく彼の言葉を待った。
「…じゃあ、これを。」
「…ありがとうございます。」
青年のくすんだ瞳を不思議そうに見つめながら、女性は店内へと入っていった。