君が好きだった。~序章~
隣の席。
ざわざわとしている教室。
緊張しているクラスメイト。
ぼーっとしてるのは、そうあたし鈴島心愛だけ。
今日はみんなが待ちに待った席替え。
あたしは正直どうでもよかった。
だから、余ったくじを引いた。残り物には福がある。ってね。
まぁ、福なんかあってもなくてもいいけど・・・
みんながそれぞれ移動し始める。あたしもやる気なく移動する。
どうでもいいとは言ったものの、隣の席は少し気になるよね、やっぱ。
そう思って隣を見ると少しだけ話したことがある、佐須田健起だった。
ま、話したことない人よりはいっか。
よし、頑張るか。何を頑張るのかもわからないけどね。