秘蔵っ子の憂鬱※タイトル変更
予想と違った展開に、
2人目の男の子の自己紹介は全然聞いていなかった。
3人目の子が名前を言ったところで
私ははっと顔を上げた。
「けいいちろう!?」
「あ、やっぱりかなさんだ。
そうかなー?って思ってたんですけど、
俺のこと知らないっぽい感じだったから同姓同名の別人かなーとか思ってたんですよ。」
と言った彼は、大学のフットサルサークルの後輩である。
これもまたまさかの展開だ。
佐藤圭一郎。
本日より、営業推進課の1年生である。
またしても、私の後輩となった。
「あたし圭一郎がよかった。」
と、ぽろっとこぼしたのを遠藤くんは逃さず聞き取っていた。
「いや、俺はかなさんがいいっす!」
とか言っているけど、今の私の精神状態からしたらアウトオブ眼中というやつだ。
そりゃ、重圧を感じている教育係の仕事だ。どうせやるなら気心知れてる相手がいいのは当然だろう。