秘蔵っ子の憂鬱※タイトル変更
Ⅱ
「新入社員は、先輩のデスクの目の前に
デスクがあるようにしてあるからー。」
という課長の声で、みんなが動き出した。
そうだ。この年度変わりで、
そのためにデスク移動したのだった。
おかげで住み慣れた入口近くの席ではなくなったが、
隣が絢乃さんになったのは唯一の救いだ。
なにかあれば全部絢乃さんに聞こう。
いやむしろ遠藤くんにも絢乃さんに聞いてと言えばいいかもしれない。
いや、それはダメだ。
絢乃さんだって教育係なんだから、
絢乃さんの仕事が2倍になってしまう。
…できる限り自分で頑張ろう。
私がそんなことを考えてぼーっとしてるうちにみんなはデスクで仕事を始めるか、新入社員にデスクにつかせ、何かしらやらせてる。私も行動を起こさなくてはいけない。
でも何やらせればいいんだろ?
…とりあえず、給湯室に行こう。
コーヒーを入れて落ち着こう。