秘蔵っ子の憂鬱※タイトル変更
そう決めたら行動だ!

「遠藤くん、
君のデスクはここ。
そしてその前のここが私の席。
とりあえず私は給湯室に行くけど、来る?」

「はい、行きます!」
と笑顔で、背が高いのに、仔犬みたいに答えて、
忠犬のごとくついてきた。



「給湯室はここ。
ここにあるものは好きに飲んでいいから。自分のマグカップ持ってきた方がいいと思う。」

「はい、わかりました。
…でも、かなさんの意外ですね。」

「何が?」

「もうちょっと可愛いのが好みなのかと思ってました。」

この流れだから、当然マグカップの話である。
このマグカップは、私達の学年が卒業するときに、下の学年が作ってくれたサークルの名前入りのマグカップである。
シンプルだが、私は気に入っている。

「別に、あなたに関係なくない?
てか、見た目で判断しないでくれる?
あたし、そういう人大嫌いなの。」

そう言って、私は給湯室を立ち去った。
もちろん、あいつは置いて。

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