なつみかんの花びら
ぼぅっと働かない頭と心のまま、家へ帰って来ました。
クーラーをセットしていたせいでキンキンに冷えた自室で座りこみます。
「寒い、なぁ」
あの公園で捨てて来た理由は、夏樹くんに見つけて貰って、それから連絡が欲しいから。
甘い甘い、少女漫画みたいに。
夏樹くんがわたしのものに、わたしに気づいてくれることを期待していたのです。
まめに電話をくれるあなた。
どうか。
「会いたいって、いつもみたいに言ってよ……」