なつみかんの花びら
「じゃあ、後で焼いてくれ」
「……。ん? 後で?」
話の流れからして今でしょう。
どうして? と首を傾げると共に背中に冷たい彼の手の感覚。
いつの間にか、Tシャツの下に入りこんでいます。
「ひぁっ⁉」
「今は、柑夜がいい」
「い、いいって!
何言ってる、いやいやいや、ちょ、ま、ね⁉」
待って‼ と叫ぶと同時に上げた頭が夏樹くんの頭とぶつかりました。
ゴツッとすごい音。
目がチカチカします。
ふらりと立ち上がりました。
「ほ、報告しないと、ね⁉」
「は?」