なつみかんの花びら
誓いの言葉を口にして、ベールを外されました。
目を閉じて、唇と唇が────合わさりませんでした。
誓いのキスはまさかの頬に。
「はい⁈」
「だって、キスとか見せらんねぇだろ!」
「何で今照れちゃってるの⁉」
そういうのじゃないでしょ! と怒っても、てんでダメです。
不器用で、いつもどちらかが照れていて。
だけど、それがわたしたちの恋愛。
仕方がないなぁ、とわたしも彼の朱い頬に唇を寄せました。
私の『愛の花』を生涯、大切に育てることをここに誓います──。