なつみかんの花びら
わたしと夏樹くんは目を見開きながら、顔を合わせました。
じぃじとは、わたしの父。
つまり、わたしの地元の少年に恋をしていたのです。
思わず「一緒だね」と言ってくすくすと笑います。
「ねぇ、夏樹。嬉しいね」
確か、水樹くんは咲よりひとつ上。
年の差があるのは変わりませんが、わたしたちよりはきっと楽ですね。
仕方がないなぁ、といった風にいつも咲を構ってくれています。
「わたしたちみたいに、付き合ったりするのかな」
「……結婚だって、するだろ」
「そうだね」
見守ってあげたいなぁ、と咲に微笑みました。