大切な人
窓の外を見てみると早くも夕方だった。
「先生に渡しに行かないとなぁ。」
職員室に向かう。
「失礼します、片山先生はいらっしゃいますか?」
「少し前に席を外したばかりだよ。
この時間はいつもいないんだ。」
「そうなんですか、わかりました。
ありがとうございます。」
机の上に日誌を置いて帰ろうとした。
先生って綺麗に片付いてるな・・・・・・
そう思いながら立ち去ろうとすると
「君、野坂るいかい?」
と隣の席の先生に声をかけられた。
青山透先生といって片山先生と仲がいいらしい。
授業で言ってたけど近所の幼馴染なんだとか。
この学校では片山先生と並んで
人気がある。
話したこともなく、授業でしか関わりのない先生だったから
話しかけられるとは思わなかった。
「はい、そうですけど・・・。」