Finale Love
「だから、雄は心配しないで、雄のステージを精一杯、謳歌しなさい」

「弥生がそこまで言うなら、わかった」

「ならもうー寝よ」

「うん」

弥生が実家、愛知県に帰る当日の朝を迎えた。

雄祐はライブリハのためスタジオへと向かった。

「おはようございまーす」

「おはよう。雄祐」

「相変わらずスタジオ入り早いっすね。
哲也さん」

「まーなー。
あれ?
弥生ちゃんは?」

「今日、実家の愛知県に帰ってます」

「なんで?」

「母親の命日で・・・」

「そっか」

「はい」

「雄祐、一緒に行かなくてよかったのか?」

「俺も弥生に言ったんですけど・・・
どうしても1人で帰るって言ったんで・・・」

「そっかー・・・。
オマエまだ弥生ちゃんの家族と会ったこと、ねえんだよな?」

「はい・・・」

「弥生ちゃんの家族は雄祐と付き合ってることは知ってんの?」

「いちよ、お兄さんには弥生が言ったみたいっすよ」

「そうかー・・・」

「はい」

「今日のセットリストだけど、こんな感じでいいか?」

「いっすよ」

「頼むから本番でミスルなよ」

「わかってますって」

「本番のステージに立った時、テンション上げてミスリそうな時があるからな」

「はい・・・」

「いちよ、このセットリスで一通りリハやってみるから」

「はい」

残りのメンバーもスタジオ入りしてリハが始まった。

その頃。

弥生は実家へと着いていた。

「お兄ちゃん。ただいま」

「やっと顔見せにきやがったな」

「お姉ちゃんは?」

「もうーリビングにる」

「そうー・・・」

弥生はリビングへと入った。
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