Finale Love
だが、雄祐は立ち読みをしていた。

店内のガラス越しの外から雄祐の姿を見てた1人の女性はチラ見をしながら店内に入ってきた。

女性の視線に気づいた雄祐は目線を合わした。

けれど、女性は視線をそらし買い物をしてレジを済まし、雄祐がいる立ち読みコーナーへと来た。

気持ち悪いと思った雄祐は立ち読みコーナーから動こうとしたその時。

女性が雄祐に声をかけた。

「もしかして・・・雄祐君かな?」

「はい・・・」

「弥生に会いにきたのかな?」

「そーですけど・・・。
弥生のこと、知ってるんですか?!」

「はい」

雄祐は思わず店内で声を張り上げた。

「マジっすか?!」

雄祐の張り上げた声を耳にしたメンバーは何ごとかと思い、立ち読みコーナーへと行った。

「何?!
雄祐、でけえー声だしてんだよ?!」

「他のお客さんもいるんだから恥ずかしいだろう?!」

「そっすよ?! 雄祐さん?!」

「てか・・・雄祐」

「なっなんすか?! 哲也さん」

「この女性って誰・・・???」

「そーだよ。
何、逆ナン、受けてんだよ?」

「オマエだけズルイよ」

「あっべちもまー君も違ますって?!」

「何が?!」

その時、美雪が少し困ったように哲也に話しかけた。

「あのー・・・お取り込み中のなか、すみませんけど・・・」

「はい」

「みなさんって、EMOってバンドですねー?」

「そーですけど・・・」

「弥生に会いに来たんですよね?」

「はい。
もしかして、弥生ちゃんの友達ですか?」

「はい」

「今、弥生ちゃんって、何処に住んでますか?!
よければ教えていただきたいんですけど」

美雪は困った素振りを見せた。

哲也はなんとなく悟り美雪に言伝を頼んだ。

「俺たち今週いっぱいこっちにいるから、もし、弥生ちゃんが俺たちに会ってくれるなら、俺に連絡くれるかな?」

「わかりました。
私から弥生に話してみます」
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