Finale Love
「そうーなんかー」

「はい」

「ほな、俺、東京に帰らなあかんで行くわ。
付き合ってくれて話してくれてありがとうな」

「いえ。yasuさん」

「ん?」

「弥生のこと、よろしくお願いします」

雄祐はyasuに頭をさげた。

yasuはそれを見届け宿泊先のホテルへと向かってた。

その頃、弥生はホテルの室内でyasuのギターを見つけ手にして見てた。

yasuさんのギターだ。

ちょっとだけ弾いてみようかな。

弥生は軽く指先で玄を弾いた。

キレイな音だな。

ちゃんと手入れしてある。

さすがyasuさん。

あの曲、歌えるかな?

だいぶ前に私が作った曲。

弥生はギター片手に歌いだした。

ちょうどその時、yasu宿泊先ホテルの自分の部屋の前の廊下を歩いていた。

あれ・・・? 
ギターの音が聞こえる?

誰が俺のギター弾いてんや?

部屋の前にきたyasuはそっと音をたてないように部屋のキーを開け静かに少しだけ中を見た。

視線の先にはyasuのギターを片手に歌う弥生の姿があった。

弥生の歌声、初めて聴いたけど、優しくてあたたかい温もりを感じる。

声は高いし響く。

弥生がこんな優しい歌い方が出来るなんて、思わなかった。

それに・・・
この曲・・・。

弥生が自分で作ったオリジナルの曲なんやろな。

まさかだとは思うけど・・・
弥生の夢って・・・。

こんな歌唱力があるのに、なんで、弥生は歌わないんやろう?

きっと、雄祐も弥生の歌声は聞いたことがないんやろうな。

弥生がこんな歌詞が書けれるとは想わなかった。

yasuは静かに弥生の歌を最後まで聞いていた。

歌い終わった弥生は独り言を言ってしまった。
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