Finale Love

♪大切な思い♪

「うん。
yasuさんの夢って何?」

「みんなが笑顔でいることかな」

「そうなんだ」

「笑顔は人を幸せにしてくれるからなー」

「言われてみると、そうだよね」

「なー弥生」

「何?」

「話したくないなら、話さなくてもいいんやけど・・・」

「うん」

「雄祐が知ってて、俺が知らないことってなんや?」

「なんでそんなこと聞くの?」

「知りたいから」

「yasuさんがそんなこと知って、どうするうの?
yasuさんには、関係ないことなんじゃないのかな?」

「弥生からしてみたら、せやな。
でも、俺は弥生の前では雄祐と同じ1人男。
だから知りたい」

「私が話さなくても、yasuさんは雄から聞いてるはずだよね?
それでも、私から聞きたいの?」

「たしかに雄祐から話は聞いてる。
でも、弥生本人からは何も聞いてない」

「雄が言ってたとおりだよ」

「せやけど、俺は納得出来ない」

「yasuさんが納得しなくてもいいんじゃない?」

「なんでや?」

「だって・・・。
私のことなんだから・・・。
yasuさんには関係ないことだよね?」

「弥生ー・・・」

弥生はそう言って奥の自分の部屋へと行った。

弥生が言うように俺には関係ないこと。

でも・・・
弥生のこと思うと・・・
このままじゃいけない。

今の俺が1人の男として弥生に何が出来るんやろう?

これじゃ弥生を傷つけるばかりやなー・・・。

せやけどー・・・
今の弥生を見るのは、正直、ツライ。

俺にしか出来ないことを、弥生にするしかない。

そのために、雄祐は俺に弥生を託した。

yasuはその場から立ち上がり弥生の部屋へと行った。

弥生は少し震えながら背を向けて立っていた。

「俺やて、弥生が今までどんな思いをしてきたか、雄祐から聞いてわかる。
せやけど、弥生自身がちゃんと向き合わなきゃいけないんやないの?
弥生やて、わかるやろう?
だから、雄祐のそばから離れたんやろう?
雄祐はちゃんと弥生の思いをわかってる。
せやから、アイツは別れを弥生に言わんかったんやろう?
なんでその雄祐の気持ちから目を背けるん? 弥生やて、そんな自分いややろ?
俺やて、こんなことで弥生を傷つけたくないんや。
でも、弥生自身がそんなんやったらあかんやろ?
いくら弥生が目を背けても、その事柄からは逃げることは出来ん。
弥生やて、もうーわかってるやろ?
せやから、俺と一緒に東京にきたんやろ?」

「そうだよ・・・。
私は、yasuさんや雄が思ってるほど、強くはない。
私だって1人の人間・1人の女。
傷を抱えて生きてる。
でも、その傷は癒えることはない。
< 60 / 145 >

この作品をシェア

pagetop