Finale Love
「うん」

yasuはそう言って自宅のスタジオへと降りて行った。

真里は聞いた。

「もしかして・・・?!
今の声って、人気ボーカリスyasuさんだよね?」

「うん・・・」

「姉さんがyasuさんとなんで一緒にいるかは、聞かないけど、雄君のことはどうするの?」

「うんー・・・」

「決めるのは姉さんだから、これ以上、私は何も言わないけどね。
でも、自分を傷つけることだけはしないでね。
それだけだから」

「ありがとう」

真里との電話を切った弥生はyasuがいるスタジオへと行った。

「おかえい」

「ただいま。
友達との電話よかったんか?」

「うん」

「今日さー、事務所に行った時にスタッフから聞いた話なんやけど、素人でユーチューブに歌声だけをアップした人がいて、その動画回数が3ヶ月間止まることなく増え続けてて音楽メディアはもちろんTV局も取り上げてるやて」

「そうなんだー・・・」

「けど、歌ってる本人の所在地すらわからなくて、本人の名前すらわからなくて、顔すらもわからないんやて。
全てベールに包まれてるやて。
大手レコード会社や大手プロダクションがオハァーしてもいっさい受けることはないんやて」

「へぇー・・・」

「俺もそのユーチューブ見たけど、是非、俺のコンサートに招待したい」

「そんなに、すごい人なんだ」

「もしCDになったら、俺はそのCD買うんやろうな」

「yasuさんが言うなら間違いないだろうね」

「せやな。
世間は今、その人に注目してるからな」

「yasuさんもそんの人のこと気になるの?」

「そやー気になるわなー」

「そうなんだ・・・」

yasuさんの耳に入るの早いなー・・・。

きっと、雄も知ってる。

もし、それが、私って知ったら、どうなるのかな?

でも・・・。

いずれ、yasuさんにも雄にもバレる。

その時までは何も言わずにしてるほうがいいんだろうな。


その頃、雄祐がいる福岡でも弥生のことは知れ渡っていた。

日に日に弥生のことはいろんなメディアに取り上げられ、弥生はyasuの自宅スタジオでCDを制作してダンボールに積め真里に郵送したが、1枚だけ置き忘れていた。

そのことに気づきもしない弥生はスーパーで夕食の買い物をしていた。
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