Finale Love
「そっか・・・」

「うん」

「言いたくないことなら、言わんでもいいけどな。
でも、助けが必要な時は俺たちに言えよ」

「うん」

「ポスター撮りも終わったから、俺、先、帰るわ」

「お疲れ」

やっぱ、弥生ちゃんのこと、哲やんだけには言ったほうがいいかな?

これ以上、隠し通すことは俺には無理。

でも、弥生ちゃんのこと、考えると、言わないほうがいいんやろうな。

きっと、雄祐が弥生ちゃんのことを知ったら、どうなるか目に見えてる。

でも、俺からは言えない。

そんな時。

カメラマンのアシスタントに呼ばれポスター撮りのスタジオへと入り無事終えることが出来た聖隆はリーダーの哲也に電話をし近くのファミレスで待ち合わせをした。

「哲やん、わざわざ呼び出してわり」

「わかってたからいいよ」

「そっか・・・」

「で?」

「じつは今、弥生ちゃん、福岡にいるんだ」

「えっ?!」

「弥生ちゃんが福岡にいることは、雄祐もyasuさんも知らない」

「なんで言わないんだよ?」

「弥生ちゃんに『言わないで』って頼まれてるんだ」

「なるほどねー・・・。
他にも理由があんじゃねえの?」

「うんー・・・」

「何?」

「弥生ちゃんと久しぶりに会った時にyasuさんのファンから暴行うけてた」

「マジでか?」

「今でも続いてるんやけどね」

「今、弥生ちゃんは?」

「レンタル屋でバイトしながら1人で生活してる」

「そっか・・・」

「うん」

「弥生ちゃんのバイト先と住んでるアパートの住所、わかる?」

「うん」

聖隆は弥生のバイト先とアパートの住所を哲也に教えた。

「あとは俺にまかしてくれる?」

「じゃなきゃー哲やんには話さなかった」

「だろうと思ったよ」

「なんか・・・
めんどくせーこと、哲やんに頼んでわりな」

「そんなことねえーよ」

「ありがとうな」
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