水没ワンダーランド
「そもそも、次元が違うならいくら探し歩いたとこで辿り着けねえし……」
「……」
「くそっ……どうすれば…」
「……」
「なーに笑ってんだよ、うぜえ!」
チェシャ猫はケタケタと小刻みに顔を揺らしながら、那智の顔を覗き込む。
スージーも面白がって、同じように那智の顔を覗き込む。
「とりあえず、この国から出たいんだね」
チェシャ猫は彼特有の感情のこもっていない、セリフを棒読みするように、言った。