寮の夜は甘い夜。
パートナー。
「いってきます!」
たくさんの荷物を持って足軽に家を後にする。
今日から私、星野由良(ほしのゆら)は花の高校生活!
人生で一番楽しい高校生活を横臥(おうが)してやろう、という意気込みの基(もと)。
私が通うことになる蔆花学園は、倍率が全国で一番高い。
その狭き門をくぐった私に立ちはだかるものは(今は)ない!
ぐあっはっは。
…とは言うものの、私は夜が苦手だ。
いや、正確に言えば、暗いのが怖い。
そう、これも私がここの蔆花(りょうか)学園を選んだ理由の一つ。
家では電気代が勿体無いと言われて夜付けっ放しにできず、怖い思いをした。
でも、寮なら!
私が電気をつけようが文句を言う人はいまい!
つまり、夜怖い思いをしなくて済むのだ!
この硬い決意のもと、私は立派に聳え立つ(そびえたつ)蔆花学園の校門にいた。
さあ、華々しい(はなばなしい)私の高校生活の幕開けよ!
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