寮の夜は甘い夜。
これからのことを考えると、話さないわけにもいくまい。
仕方なく、話すと、
「へー!以外。怖がりなんだね。」
なんともムカつく答えが帰ってきた。
何が怖がりだっ!
私はただ、暗いのが苦手なだけで、怖がりじゃない!
断じて!
「じゃあさ、怖くないようにしてあげるから、先ベッド入って?」
「怖くない・・・?」
「そーそー。怖くない怖くない。」
「ん、わかった。」
まあ、布団入ってから暗くなった方がマシだし。
渋々布団に入ると、部屋が暗くなった。
言いようもない恐怖が私を揺さぶる。
む、無理・・・!
耐えらんないよ!
すると、急に右側がゴソゴソと動き始めた。
「はい、これで怖くない!」
いつの間にか楓が私の身体を包むように抱いていた。
う、なんか、これだと怖くないかも。
安心して、身体を楓に預けた。
「っあー、耐えらんない」
「え?」
「ね、もっと怖くなくなるおまじないしてあげよっか。」
ほほう。
これ以上怖くない、とは、不死身じゃないか!
「教えて!」
私がそう言うと、フッと楓が笑った。
この状況で、笑うか、普通?
「じゃあ、由良、上向いて、目を閉じて。何があってもその態勢崩しちゃダメだよ?」
「・・・うん。」
何があってもって、ちょっと怖いな。
上を向いて、目を瞑ると、唇に柔らかいものが当たる。
「っん.....」
私、また楓にキスされてる!?
どうしよ、動くなって言われたしな。
ま、こんな身体ガッチリ抱かれてちゃ身動きなんて取れないけど。
「んっ、んふぅ.....んぁ」
っ、いつもより長くないか?
そしてまた、本能的に酸素を取り入れようと口を開けると、楓の舌が入ってきた。
また、やられた・・・!
静かな部屋に、水音が響く。
なんだよ、ちょっと恥ずいじゃないか
尚も相変わらずピチャピチャと水音は止まない。
楓め、ワザとだな・・・!