寮の夜は甘い夜。
一夜明けてまた一夜。
「っん、ふぁ....?」
欠伸(あくび)がでる。
でも、今日の欠伸はなんか変だった。
口から出した息と入れ違いに何か入ってくる。
ああ、わかった。
楓の舌だ。
私は運の悪い事に欠伸で息を吐いたばかりだったので、身体に酸素はあまり残っていなかった。
「っん゛ー!」
「ん、もう限界?早いなあ」
馬乗りになっている楓を勢いよく押すと、不満そうな顔をしながらも、離れた。
「あっんた、ねえ、寝込みを襲うなんてサイテーよ!」
「別に襲ったつもりはないんだけどな。」
「襲ったでしょーが!キスなんかしてっ!」
「キスは、昨日もたくさんしたじゃん。」
そこで、思い出した。
そういえば私、キスしながら寝ちゃった・・・!
「っ、あのあと、何もしなかったでしょうね?」
「当たり前じゃん。寝込みは襲わないよ。
それよりさ、昨日、怖くなかったでしょ?」
「っ、まあ、怖くはなかったけど、」
悔しいけど、確かに全然怖くなかった。
楓はそれを聞くと、すごく嬉しそうに、
「じゃあさ、今日もしてあげるよ。」
「・・・他の方法ないの?」
「ないよ?あれが嫌なんだったら怖いの我慢してもらうしかないなー」
くそうっ!
怖いのは嫌だあ!
「っ仕方ないなあ」