寮の夜は甘い夜。





「ん.....」









「あー、やっと起きた?









ダメだよー、夜でもないのにキスしながら寝ちゃ。」









楓はそう言いながらクスッと笑った。









どうやら、私はまたキスをしながら寝たらしい。









我ながら呆れもんだ。









おかげで、もうちっとも眠くない。









夜、寝れないかも。









どうしよう・・・









「なにそんな深刻そうな顔してんのさ。」









「え、いやあ、夜眠れなくなっちゃったらどうしようかと思って、ね。」









楓はそれを聞くと「なんだ、そんなことか。」と、嘆息して、









「大丈夫、俺がずっとキスしててやるから。」









「なんか、それも嫌なんだよね。」









なんだろう、怖くないのは有難いんだけど・・・









「ずっとキスはイヤ?」









「イヤ。」









私が即答すると、楓はうーん、と唸って、








「じゃあ、キス以外のこともしてあげる。」








「なんか方向性が違う。」









「楽しみにしてろよ?」









そう言って楓はニヤッと笑った。









今日の夜は大変なことになりそうです・・・




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